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吉田戦車「伝染るんです。」 (1989年〜1994年)

自分にとって、これは恐らく永遠のナンバー1コミックスだろう。
あの名作「あしたのジョー」でさえ、「伝染るんです。」の前では霞んで見えてしまうほど。

89年2月にビッグコミックスピリッツ誌上で連載スタート。
どういったきっかけでこの作品を知ったか記憶があいまいなのだが、読んで本当に驚いてしまった。
従来の4コマ漫画の概念を覆すような展開、落ち、視点、笑い、ペーソス、そのどれもが新しかった。と同時に言い知れぬ読後感に重さ(決して不快というものではない)を残す作品群。
しばらくコミックスの世界から遠ざかった私は、吉田戦車という凄い才能の作家に興奮を覚えたものだった。

もちろん吉田戦車といえども人の子。「伝染るんです。」の人気の高まりとともに、マスコミ(顔、プロフィールの露出はほとんどなかったが)、商業路 線(キャラクターグッズ販売など)の洗礼を受けざるをえず、途中、かなり作品づくりに苦しむ場面があった(に違いない。その跡は作品に散見される)。

そして、94年1月31日号で「ホントに終わるんです。」のタイトルをもって「伝染るんです。」は幕を閉じる。ちょうど5年間の連載期間。

吉田戦車は「伝染るんです。」の前後も作品を出してはいるが、私が思うに「伝染るんです。」のあまりの完成度の高さには到底及ばない。

私は常にこの「伝染るんです。」を手にしては、生きる上でのさまざまなヒントや固定概念を打ち破るパワーをもらう。

連載が終わった時はとても残念に思えたものだが、今となっては、作品の質のレベルを保ったまま完結させた吉田戦車の判断、決断の正しさに心から敬意を表したい。

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