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「半日村」(1980年)
斎藤隆介作、滝平二郎絵による絵本。


2000年6月に田無の書店で見つけ、購入。
娘と本屋内をフラフラと見歩いていて、児童書のコーナーで偶然見つけたものだった。


以前、どこかで目にした、読んだ記憶はあった。それがどこなのかはどうしても思い出せない。
そして感銘は、いつしか意識の底に沈み眠っていた。
私は、「半日村」の背表紙を見た瞬間、「見つけた!」というひらめきに近いものを感じた。
娘にほしいか、とも聞くことなく、即座に購入した。どうしても、この本がほしくなった。


山を動かす――こんな馬鹿な考えはだれも考えつかないことに違いない。なぜならだれが考えても不可能と思えることだから。
しかし、不可能と思える道のりに、一平はその一歩を踏み出した。何の気負いも、てらいもなく、ただ黙々と。
「そんなこと無理だ」と傍観していた村人が、やがて動き出す。そして気が付くと村すべてが主体者になっていた。


長い長い歳月がかかった。しかし、山はとうとう動いた。


私はこの絵本を読むたびに涙を抑えられない。
人間が持つ無限の可能性に気づかせてくれるから。そして、あきらめなければ物事は必ず成就するということを教えてくれるから。
それだけではない、この書には、ソフトパワー、漸進主義、教育、民主主義のあり方等々、極めて現在の社会において重要なテーマが含まれている、と私は思う。

さらに言えば、「カラマーゾフの兄弟」大審問官の章でイワンが投げかけた疑問、それも難問中の難問に対する答えがここにある、と私は思う。


「半日村」は私にとっての永遠の座右の書なのである。
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