趣味で全くそりが合わなかった先輩と病気経験で初の共感

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先輩に声をかけられ

先日、職場へ向かう道すがら、向こうから歩いてくる先輩に出会い、少し立ち話となりました。

その先輩は私と趣味が共通していて、クラシックの大愛好家。

私もそれなりのオタクだとは自認しているのですが、先輩はレベルが違います。

何年か一度はウィーンに飛び、本場の演奏会やオペラ劇場に出入りしてしまうという超本格派です。

とあれば、さぞ話が合うんだろうと思われるでしょうが、実はさにあらず。

全く合わないのです。

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趣味が共通だからといっても

というのは、オタクという言葉が示すように、「自分はこう思うけど、おたくは?」との語源(さだかではありませんが)が示すように、細部にこだわるようになればなるほど、そのささいな違いの許容範囲が狭くなるという現象をもたらしますということがあるので。

大枠でクラシック好きという点では共有はできたとしても、一度その中に入った時、意見はかなり食い違います。

たとえば私が心酔するアーチストの演奏を、「ここがだめ、ここがよくない」と批評を加えられると、快く思わないものですよね。

逆に先輩がいいという演奏家のことを私はちっともいいとは思わなかったりでと。

その意味では、まず心が通うという場面はありませんでした。

むしろ、話せば話すほど、その感覚の違いが明らかになり、お互い、「わかってないなー」という結論に至るということを繰り返してきたように思います。

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目には光るものが

だから、その日も私は「こんにちは」と軽いあいさつだけでやり過ごそうとしたのですが、なぜか先輩は私を呼び止め、「体どう~?」と、いつもと違う眼差しでもって話しかけてきたのです。

あまりの態度の違いにやや戸惑いましたが、「おかげさまで元気にやってます」と応じると、先輩は次のように語り始めたのでした。

「ついこの間まで入院していて、やっと出てきたところなんだ。いや~、やっぱり病気ってしんどいね。○○(私の名)ちゃんはすごいよ。もっと厳しい中を乗り越えたんだから」

私は一瞬、きょとんとしながらも、先輩の目に薄っすらと光るものを認め、私の体にも何か熱いものが流れ出すのを実感しました。

「そうでしたか、そうでしたか、大変でしたね」と私。

「病気になって初めて、気づいたことがたくさんある。人の気持ちもようやく理解できるようになった気がする。病気はつらいけど、生きる上では重い意味があるんだね」

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病気話で心の距離が縮まり

クラシックという趣味の分野では一度として意見が合ったことがなかった先輩と、この病気話で一気に心の距離が近づいた気がしました。

だれでも病気はしたくないものですが、やむを得ず病気になったとしても、それはそれで人生の新たなステージや展開があるのだということを、先輩の言葉から改めて感じることができたように思います。

全く不思議なものです。

そう思えば、病気はつらく苦しい試練に違いありませんが、その対価として、人生に深みと広がりをもたらしてくれるのでしょう。

そんなことを再認識させてくれた先輩との3分間の立ち話でした。

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