鉄道員の始まりと終わりを目撃して思う縁の下のありがたさ

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運転室にひしめく乗務員

先日、駅のホームで珍しい光景に遭遇しました。

入線してきた電車の先頭の運転室に8人ほどの乗務員がひしめくように乗っていたというものでした。

客室の満員ラッシュは日常の光景ですが、運転席のそれは初めてです。

運転席を取り囲むように、そして2列に折り重なるように、制服、制帽に身を包んだ乗務員が、前方一点を見つめています。

たまたま先頭車両の先頭ドアで待っていたので、電車男を装って、運転席に張り付いて、その理由を探ってみました。

大方すぐ予想が付くことですが、運転手になるための研修だったようで、8人のうち2人(うち一人は運転手)は白髪まじりのベテラン風でしたが、残りの6人は横顔が初々しい若さあふれるものでしたから。

それぞれ真剣にメモを取りながら、指を前方に指したり、お互い確認し合うように話したりうなずいたりしていました。

「ああ、いい光景に巡り合ったな」と思ったものです。

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人気の一方、シビアな職場

乗客の車両はがらがらでしたが、私があまりに興味深そうに、ガラスに張り付いて、写真まで撮っていたので、座席にいた二人の女性も気付いたようで、「何、研修中?」などと話す声が聞こえていました。

世の中に鉄オタを自称する人はことのほか多く、その意味でも、鉄道員を一生の生業としたいと思う若者は少なくないはずです。

私は鉄オタではないですが、娘が鉄子でして、最近は休みとなると、アイドルイベントに出かけるか、乗り鉄の旅に出るかの択一のようです。

それほどに、人の憧れを誘う鉄道ですが、実際にはかなりきつい仕事であることも間違いないでしょう。

酔っ払いに絡まれる、殴られるなどは日常茶飯と聞きますし、人身事故の処理に当たらなければならないこともあるでしょう。

これはどの世界にも共通したことですが、絶対に遅刻できないということも。

遅刻したことで、電車の運行ができなくなると、ニュースにもなったりしますね。

会社に遅刻しても一々、ニュースにならないところからすると、やはりその重圧は半端なものではないはずです。

想像するになかなかシビアで、自らを律することに相当な覚悟がないとできない職業なのだろうと思ったりします。

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定年を祝うセレモニー

かなり前のことですが、鉄道員に関する、こんな光景にも遭遇したことがありました。

最寄り駅のホームで、5、6人の駅員がぞろぞろと先頭の方へ歩いていきます。

「なんだろう、事故? 事件? じゃないな、みんなの表情が明るいから」と思いながら、彼らの動向を見守っていると、先頭部分で立ち止まり、急に模造紙大の横断幕を広げたのです。

そこに書かれていた文字は、「○○さん、○○年間、大変お疲れ様でした!」。

「ああ、そういうことか」と合点がいったと思う間もなく、滑るように車両がホームに入線してきました。

乗務員用のドアが開くと、ちょっと照れくさそうに、白髪混じりの運転手が降りてきて、笑顔で全員と握手、握手。

送る側は口ぐちに、「お疲れ様でした」「ありがとうございました」と運転手に声をかけ、中には手に顔を埋める人も。

最後は、記念撮影で締められ、定年を祝うセレモニーは終了し、運転手が交代した車両は走りだし、駅員たちは談笑しながら、来た方向に戻っていきました。

ああ、いい光景に遭遇できたなぁと思ったものです。

*

世界に誇る鉄道事業を支え

研修で見かけた若者たちは、仕事を遂行していく中で、さまざまな経験を積み、時折は凹み、時々はその達成感を味わって、そして数十年後、私が見かけたような見送り方をされるのでしょう。

その際、すべてやりきったと充実感を味わってほしいものだと思います。

鉄道が日本に登場して100年以上が経つと思われますが、そんな美しい光景が何度も何度も繰り返される中で、世界に誇れる日本の鉄道事業というものを支えてきたのだと思うにつけ、すごいことだし、ありがたいことだと思わざるをえません。

鉄道が時刻通りに運行するのは当たり前ではあるし、少しでも遅れると、どうしたんだという気にも私もなることはあります。

でも、その定刻を守ろうと、必死の思いのポッポ屋さんたちの陰ながらの努力にも、もっと思いを致すことも大事なことなんじゃないだろうかと思うのです。

まさに日本の縁の下の力持ち的な存在なんだと改めて思った次第です。

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運転室のひしめく乗務員。真剣で初々しい横顔が美しかった
運転室のひしめく乗務員。真剣で初々しい横顔が美しかった

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西武新宿線的相対性理論

きのうは東京電力施設の火災の影響で停電が各地で発生し、私が利用している西武新宿線にもかなりの影響が出たようだ。

それでも、私が透析を終えて西武新宿駅から帰るころの20時過ぎには、まだやや混乱気味で、掲示板に発車時刻も表示されていない状態だったが、いつものような待ち間隔で乗車することができた。

西武新宿線という路線が非常にユニークであることは以前にも何度かブログで書いたことがあるけれど、その最も特徴的なのが、ターミナル駅が事実上、二駅あるということではないか。

つまり、西武新宿駅と高田馬場駅の二つがそれ。

西武新宿駅はご存じの通り、陸の孤島といってよく、JR、メトロ、私鉄の各新宿駅から、ポツンと離れて立地している。

ゆえに、乗り換えの不便さが指摘されてきている。

そんな事情から、JRとメトロ東西線の乗り換えが便利な高田馬場駅が第2ターミナルとして機能するに至ったわけだ。

私も小平に引っ越した当初から10年ほどは、高田馬場乗り換え山手線経由新宿方面という常道のパターンを利用していた。

時間は短縮できるが、問題はあった。

気持ちが焦るという問題だ。

山手線から高田馬場で、西武線に乗り換える際、真向かいに路線があるので、嫌でも目に入る。

したがって、乗りたい急行などが入線してきたりすると、乗ろうとして、どうしても気が急く。

ぎりぎり乗れなかったりすると、かなり悔しい思いをする。

さらに、各駅、特急、各駅など3本の通過を見送らなければならない時など、計り知れないストレスを感じてしまう。

やっと急行が来た!と思って、乗り込もうにも、既につり革は埋まっていて、不安定な状態で30分を過ごさなければならないという悲惨な目も何度もあった。

そんなある日のこと、新宿駅で飲み会があり、歌舞伎町だったこともあり、西武新宿駅から帰ることにしてみた。

するとどうだ。

あれ、と思うほどにストレスなく乗車し、そこにありあまるほどのつり革があり、かつ待ち時間ほぼゼロでスタートした。

その時、始発駅が持つオンリーワンの価値にようやく気付いた気がした。

以来、JR新宿から西武新宿駅までの徒歩10分は貴重なウォーキングタイムととらえ、西武新宿駅を基点とする通勤生活が始まった。

快適そのもの。

それが西武新宿駅を利用して感じる正直な感想だ。

高田馬場も、西武新宿も、同じ間隔で、同じ電車が停車しているにもかかわらず、始発であるか否かの違いで、ここまで快適度が違ってくることにはいまだに驚きさえ感じる。

ちなみに、この感覚の違いについて、自分は「西武新宿線的相対性理論」と名付けている。

そう思うにつけ、職場が池袋方面ではなく、新宿方面であったことは、幸運と思うほかない。

いろいろな意味で、西武新宿線はユニークで不思議な鉄道だと思う。

通勤で使っているパスモ。西武新宿と高田馬場経由のどちらも利用可能のダブルート
通勤で使っているパスモ。西武新宿と高田馬場経由のどちらも利用可能のダブルート

痛勤地獄を味わった人間にとって西武新宿線はこの世のパラダイス

きのうに続いて、きょうも通勤ラッシュで書いてみたい。

Yahoo!ニュースにこんな記事があがっていた。

もはや冗談レベルの混雑さ!絶対乗りたくない通勤電車混雑率ランキングトップ10

私は通学・通勤を通して首都圏の鉄道のお世話になってきているが、記事のトップ10のうち2路線を経験している。

それは以下の通り。

第9位(同率):混雑率178%千代田線 町屋駅 → 西日暮里駅

第3位:混雑率197%京浜東北線 上野駅 → 御徒町駅

上記は学生時代、我孫子から大学に通う千代田線で、下記は北本から上野で乗り換える京浜東北線、もしくは山手線で、それぞれ経験している。

とはいえ、過去のことになってしまっているのだろうが、かつての常磐線快速の柏~上野間は、これらの比ではなかったと思う。

あれほどの悲惨な詰め込み方は、以来、どんなトラブルの結果引き起こされた混雑より、ひどいまさに凄惨を極めたものだった。

その要因は、常磐線快速が抱える根本的体質にあったと思う。

常磐線快速の停車駅はことごとく私鉄の乗り入れがあり、支流から流れを集める本流となるはずなのだが、本流の輸送力が貧弱とあれば、悲惨な状況になることは目に見えている。

例を挙げてみよう。

①始発の取手駅で関東鉄道常総線が合流
②我孫子駅で成田線が合流
③柏駅で東武野田線が合流
④松戸駅で新京成鉄道が合流
⑤北千住駅で東武伊勢崎線が合流

思い出しただけで、トラウマになる。

立っている身体が浮くどころではない。

猛烈な詰め込みにより、座席前に立とうものなら、座っている人の膝に手を当てなければ立っていることはもはや困難。

しまいにはあまりの圧迫により、ドアの強化ガラスが割れてしまうこともしばしばで、それがまた遅れの原因になったりもした。

高校~結婚前までの15年ほど、この痛学・痛勤電車を経験し、引越しが決まった時、もう2度とあの地獄を味わわなくて済むと思っただけで、その解放感は筆舌に尽くせぬものがあった。

ただ、喜びもつかの間、埼玉に移ってからも、今回の記事にあがっていた第3位:混雑率197%京浜東北線 上野駅 → 御徒町駅が待っていて、そう楽にさせてくれないものだと思ったけれど、常磐線のそれに比べれば区間も短く、ストレスレベルでいえば10分の1程度か。

そして、現在の西武新宿線である。

こんなパラダイス的な電車で毎日通うことができるようになるとは、かつては夢にも思っていなかった。

西武新宿線しか経験のない人にとっては、そう思う人は少ないのかもしれないが、一度地獄を見た人間にとっては、ここはこの世の春、天国にほかならない。

かつての殺人列車、常磐線も、沿線住民の長年の夢だった第2常磐線がつくばエクスプレスという形で実現したおかげで、だいぶ混雑の緩和がなされ、今回の記事にもランクインしていないのだと思う。

病気になって初めて健康のありがたさを知るということはよく聞くことだけれど、通勤地獄を味わって初めて普通の通勤ができることのありがたさを知るという真理もあると思う。

その意味では、やむをえずではあったけれど、かつて地獄を経験した私は、日々、西武新宿線という快適空間で通勤できる幸福を享受できている。

意外なことに、かつて私が乗っていた常磐線の車両がフリー素材で提供されていた。ありがたい。そう、この電車こそ、毒ガスなきアウッシュビッツと私が勝手に命名していた地獄列車の相貌。一見して優しげに見えるところがより怖さを増す
意外なことに、かつて私が乗っていた常磐線の車両がフリー素材で提供されていた。ありがたい。そう、この電車こそ、毒ガスなきアウッシュビッツと私が勝手に命名していた地獄列車の相貌。一見して優しげに見えるところがより怖さを増す