歯の治療が終了

fugue (2005年8月17日 15:59) | 個別ページ
闘病生活3日目。
夕方からH歯科へ。

歯科といっても近所ではなく、車で1時間以上かかる場所にある。なぜそのような遠いところにかかっているかというと、高校時代の同級生が開業している歯科であるためだ。

自費診療の差し歯は高い。ランクにもよるが1本10万から12万円はする。
以前、職場が近かったため通っていた歯医者は、差し歯7本で見積もりを計89万円と出してきた。ウチは歯に100万円近く払えるほど裕福ではない。

奥歯は保険適応のパラジウム合金で十分と1本3000円を4本で計12,000円で抑えた。

問題は前歯である。保険の歯でもいいかなと思ったが、せめて前歯だけでも、長持ちするいい歯を入れたい。

それで、同級生のHに相談してみたというわけだ。

H「わかった、”ともだち価格”でやってやるよ」
私「いやー、すまんなー」

この言葉を完璧に期待していたわけだ。でもやはり持つべきものは友である。

以上のような経過で、友人の歯科に通うようになってきょうで3回目であり、治療最後の日である。これで都合、7年にわたって続けられてきた歯の治療が完全に終了する。感慨深いものがある。

治療が終わった後、クラス会の打ち合わせでもしよう、と食事をすることにもなっている。

滞りなく治療が終わり、友人のHと駅前の居酒屋へ。
居酒屋とはいえ、自分は車なので飲めないが。申し訳ないがHだけで飲んでもらった。

病気のことを話すとHは深刻な表情になり、沈んでしまった。

決して、自分は悲観していない、必ず克服して元気になると信じていると、決意を語ったら、彼の表情は明るさを取り戻した。

友人として、心配してくれていることを痛いほど感じる。ありがたい。

別れ際、「あえて握手はしないよ」とH。

うん、必ず戻ってくるし、再会する、間違いなく。

骨髄異形成症候群を告げられる

fugue (2005年8月15日 15:58) | 個別ページ
マルク(骨髄検査)の結果が出る日。
前回の内視鏡検査で、胃がきれいだったことから、私の貧血の原因がほぼ造血機能にあるということが絞りこまれてきただけに、この骨髄検査の結果が大きな鍵を握るというわけだ。

8:30
病院到着。いつものように妻が付き添う。

採血して診察室に呼ばれるのを待つ。さすがにいつもより緊張気味。

9:00ごろ
診察室に呼ばれる。

いつもであれば医師は「おはようございます」と微笑むのだが、きょうはいきなりその笑みがない。顔は曇り、うつむき加減の表情には、これから何か重大なことを語ろうとしていることを予想するに十分だった。

医師「骨髄の結果が出ました。骨髄に芽球といわれる未熟な細胞が多数見受けられます。このまま放置すれば必ず白血病に転化します」
私「白血病ということですか」
医師「白血病の一歩手前で、前がん状態ということです。病名は、骨髄異形成症候群といいます」
私「コツズイイケイセイショウコウグン……」

初耳の病名であった。
白血病ならほぼ誰でも知っている。しかし、骨髄異形成症候群といわれてピンと来るのは、恐らく血液疾患に詳しい人たちだけだろう。

私の場合、骨髄内の芽球の占める割合は16.6%。20%を超えると急性白血病の範疇に入るので、速やかな入院を、と医師に告げられた。

医師の声は極めて小さく、静かで沈んだものだった。おかげで私の後ろにいた妻は最後まで腰を浮かせ、私とほぼ顔を並べて、医師の話を聞いていた。

医師「治療については、白血病への転化が怖いので、入院しなるべく早く抗がん剤の投与をしていきます。ただ、この病気の場合、抗がん剤の投与だけで治すことはできません。骨髄移植をしない限り、完治は望めないでしょう」

白血病、前がん状態、抗がん剤、骨髄移植……どれもこれも、これまで自分とは全くかけ離れた世界のことと思っていただけに、聞いている当事者ではあるのだが、私はどこか他人事のようにメモを取っていた。

妻は明らかに動揺していた。抑えようと努力していたが、医師に質問する声が震え、要領の得ないものとなっていた。

私は痛みには極めて弱い人間だが、こうした場面ではかえって冷静になれる性質をもっている。ましてや自分自身のことであるから、動揺しても意味がない、というバランス感覚も働くようだ。

私「わかりました。大変お世話になりますがよろしくお願いします」

まだ医師に何かを聞きたそうだった妻を引き連れて、診察室を後にした。

14:00
喫茶店で、妻と今後の方針などについて検討した後、職場へ行き、診断等のことを説明する。入院は1週間以内と急ではあるが、夏休み期間ということもあり、仕事的には幸い、簡単な引継ぎで済み、入院までの間、自宅待機が許された。

職場の近くで待たせていた妻と合流し、帰りがけ、紀伊国屋書店で、白血病関連の書籍を購入して帰宅の途に着いた。

<8月15日の採血結果>
白血球:2,220(標準:3,300~9,000)前回比 +30
ヘモグロビン:9.4(標準:13.5~17.5)前回比 +0.2
血小板:45,000(標準:140,000~340,000)前回比 -1,000

初めてのマルク、内視鏡検査

fugue (2005年8月 1日 15:56) | 個別ページ
朝から病院へ。今回も妻に付き合ってもらう。タクシーで8時過ぎに病院到着。患者は既にかなり来ているがスタッフはまだ配置に付いていない状態。まずは採血室の奥、外来治療室へ。いよいよ骨髄の採取だ。
骨髄検査のことを通称「マルク」というらしい。しかし、なかなか始まらない。スタッフへの連携ミスなのか、看護師が確認したところ、聞いていなかったかのような様子がうかがわれる。さすがに若干の不安が襲う。

1時間近く待って、ようやく2人のスタッフが登場。一人はめがねをかけた、いかにも新米っぽい感じ。もう一人は何というか先輩で偉ぶった感じ。

まず腰の表面を消毒し、丸い穴の開いた紙が何枚も重ねられる。まるで手術のようだ。
穴を開ける場所が決まると、麻酔の注射を打たれる。

新米「痛くないですか?」
私「痛いです」
新米「では麻酔を足します」

麻酔を足したと思いきや、今度は何も聞かず、鈍い痛みとともにぐりぐりと針が刺さってきた。

これが採取の針らしい。

今まさに、自分の骨に釘(ではないが)が打ち込まれている――『パッション』の一シーンが頭に浮かぶ。
痛さを楽しむなどというゆとりは当たり前ながら、これっぽっちもなかった。

先輩「はい、これで終了です」

止血のため、30分ほど仰向けになって休む。

次に2階で内視鏡の検査へ。

まず喉に霧吹きのようなもので麻酔がかけられる。当然ながら苦くてまずい。ティッシュに吐き出す。

すぐさま検査室に呼ばれる。

担当は若い男の人だった。大学の後輩のH君によく似ている。

反射が強いと、おえっと来るので、もし心配なら反射を弱める注射を打ちますとのことだったので、迷わずお願いする。

マウスピースを口に入れ、カメラのケーブルが差し込まれる。来た、「うおーっ」と。それでも一度差し込まれたら、戻しそうな感じは続くものの次第に落ち着いてきた。

10分ほどで終了。

打った注射の関係でふらつくので、奥の安楽椅子で休む。約1時間。完璧に眠ってしまっていた。

目が覚めて待っていた妻と合流し、1Fに戻る。

しばし待ち、H先生の診察を受ける。

胃はきれいであるとのこと。胃からの出血ではないことがはっきりした。 ということは、原因は血液自体にある、という可能性が高まったことを意味する。

骨髄検査の結果は15日に出ることになった。

<8月1日の採血結果>
白血球:2,190(標準:3,300~9,000)前回比 +250
ヘモグロビン:9.2(標準:13.5~17.5)前回比 -1.0
血小板:46,000(標準:140,000~340,000)前回比 -4,000