痛勤地獄を味わった人間にとって西武新宿線はこの世のパラダイス

きのうに続いて、きょうも通勤ラッシュで書いてみたい。

Yahoo!ニュースにこんな記事があがっていた。

もはや冗談レベルの混雑さ!絶対乗りたくない通勤電車混雑率ランキングトップ10

私は通学・通勤を通して首都圏の鉄道のお世話になってきているが、記事のトップ10のうち2路線を経験している。

それは以下の通り。

第9位(同率):混雑率178%千代田線 町屋駅 → 西日暮里駅

第3位:混雑率197%京浜東北線 上野駅 → 御徒町駅

上記は学生時代、我孫子から大学に通う千代田線で、下記は北本から上野で乗り換える京浜東北線、もしくは山手線で、それぞれ経験している。

とはいえ、過去のことになってしまっているのだろうが、かつての常磐線快速の柏~上野間は、これらの比ではなかったと思う。

あれほどの悲惨な詰め込み方は、以来、どんなトラブルの結果引き起こされた混雑より、ひどいまさに凄惨を極めたものだった。

その要因は、常磐線快速が抱える根本的体質にあったと思う。

常磐線快速の停車駅はことごとく私鉄の乗り入れがあり、支流から流れを集める本流となるはずなのだが、本流の輸送力が貧弱とあれば、悲惨な状況になることは目に見えている。

例を挙げてみよう。

①始発の取手駅で関東鉄道常総線が合流
②我孫子駅で成田線が合流
③柏駅で東武野田線が合流
④松戸駅で新京成鉄道が合流
⑤北千住駅で東武伊勢崎線が合流

思い出しただけで、トラウマになる。

立っている身体が浮くどころではない。

猛烈な詰め込みにより、座席前に立とうものなら、座っている人の膝に手を当てなければ立っていることはもはや困難。

しまいにはあまりの圧迫により、ドアの強化ガラスが割れてしまうこともしばしばで、それがまた遅れの原因になったりもした。

高校~結婚前までの15年ほど、この痛学・痛勤電車を経験し、引越しが決まった時、もう2度とあの地獄を味わわなくて済むと思っただけで、その解放感は筆舌に尽くせぬものがあった。

ただ、喜びもつかの間、埼玉に移ってからも、今回の記事にあがっていた第3位:混雑率197%京浜東北線 上野駅 → 御徒町駅が待っていて、そう楽にさせてくれないものだと思ったけれど、常磐線のそれに比べれば区間も短く、ストレスレベルでいえば10分の1程度か。

そして、現在の西武新宿線である。

こんなパラダイス的な電車で毎日通うことができるようになるとは、かつては夢にも思っていなかった。

西武新宿線しか経験のない人にとっては、そう思う人は少ないのかもしれないが、一度地獄を見た人間にとっては、ここはこの世の春、天国にほかならない。

かつての殺人列車、常磐線も、沿線住民の長年の夢だった第2常磐線がつくばエクスプレスという形で実現したおかげで、だいぶ混雑の緩和がなされ、今回の記事にもランクインしていないのだと思う。

病気になって初めて健康のありがたさを知るということはよく聞くことだけれど、通勤地獄を味わって初めて普通の通勤ができることのありがたさを知るという真理もあると思う。

その意味では、やむをえずではあったけれど、かつて地獄を経験した私は、日々、西武新宿線という快適空間で通勤できる幸福を享受できている。

意外なことに、かつて私が乗っていた常磐線の車両がフリー素材で提供されていた。ありがたい。そう、この電車こそ、毒ガスなきアウッシュビッツと私が勝手に命名していた地獄列車の相貌。一見して優しげに見えるところがより怖さを増す
意外なことに、かつて私が乗っていた常磐線の車両がフリー素材で提供されていた。ありがたい。そう、この電車こそ、毒ガスなきアウッシュビッツと私が勝手に命名していた地獄列車の相貌。一見して優しげに見えるところがより怖さを増す