このシリーズも、予想通り長くなってしまったが、今回が最後。 第一希望ではなかった新聞社に入った私は、やや後悔することになる。 というのは、入社から3カ月間は研修期間と称して、8時半出社、21時退勤が続くという、ブ…
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向田邦子先生を文章の師とあおいでの36年間を振り返る(4)
前回は、私の思い出というより、向田邦子先生、そして先生に影響を与えたと思われる夏目漱石大先生の偉大さについて終始してしまった感がある。 自身の経験に話題を戻すことにする。 某新聞社の入社試験をあえなく落とされた私…
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向田邦子先生を文章の師とあおいでの36年間を振り返る(3)
向田邦子先生にほれこんだ作品はエッセーのみならず、先生の本業である脚本も数多い。 「あうん」「冬の運動会」も素晴らしいが、中でも私がテレビドラマ史上の傑作と位置付けているのが、「阿修羅のごとく」だ。 1979年、…
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向田邦子先生を文章の師とあおいでの36年間を振り返る(2)
私がエッセーを読み、書き写しをして文章を学んだ1983年時点では、向田邦子先生は既に他界されていた。 2年前の台湾での飛行機墜落事故に遭い、51歳という若さで逝ってしまった。 その事故のニュースは自身、知ってはい…
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向田邦子先生を文章の師とあおいでの36年間を振り返る(1)
向田邦子先生のエッセー集「父の詫び状」を親子(私と娘)で読んでいる。 約束して読もうとしたわけではなく、二人がそれぞれ、偶然読み始めたのが同じタイミングだった。 私はキンドルで、娘は紙の本で。 私はリアルな本…
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ブームの断捨離をして思う。人生には執着を捨てなければ見えないものがある
断捨離がブームになっているが、はやるのも無理ないというか、これは時代の要請なんだろうなと思うことがある。 自身、3年ほど前からじわじわと身の回りの物を処分し続けて、かなりすっきりした状態になってきている。 すると…
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右手の筋を痛めて思う。愛された横綱、稀勢の里を襲った矛盾と理不尽
朝起きると、右手の付け根に違和感が。 少し重さのあるものを持とうとすると、ぐきりと痛む。 筋を痛めてしまったようだ。 原因はなんだろうと思い当たる節を探ってみると。 * ここのところ、頑張っている筋トレが最大の要因だろう…
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免疫が通常の3分の1しかない私は面倒なトイレの使用流儀を貫く
透析クリニックの入室時間を調整するためにタリーズの滞在時間が長くなっている。 このタリーズはそれなりの広さが確保されているので、席のえり好みさえしなければ、どこかは大概は空いているところがありがたい。 この日も店内を見渡…
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仕事を辞めない限り、この職人気質から解放されることもないだろう
去年に続いて、元日の人工透析を行っている。 12月29日に続いて地元の病院で。 元日から病院で働くスタッフの皆さんには頭が下がる。 本当は家族とゆっくり過ごしたいところだろうに。 * と言いつつ、自分も元旦から仕事をした…
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決して強がりではなく、はげの自分が好きだし誇りに思う
2か月半ぶりに理髪店に行ってきた。 いつもであれば6週間、つまり1か月半おきがサイクルなのに今回1か月伸びたのにはいくつかの理由がある。 その一つは、前回にいつもより短めにカットをしてもらったこと。 もう一つは妻から止め…
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人気の美術館で人の黒い頭を鑑賞するなら人影まばらな新宿御苑がいい
土曜日の透析は仕事が休みなので、何事もゆったりと構えることがありがたい。 きょうはいつもより2本も早い電車に乗ることができたので、すべてにおいて遠回りしたり、新宿御苑にも寄って散歩をしたりして透析前のひと時を過ごすことが…
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認知症になったら透析は即刻中止をの意思を確認することができた
先日、娘から「この本読んでみて」と手渡されたのは、マンガだった。 珍しいなと思いながら、手に取ると、タイトルは「母はハタチの夢を見る」で、若い女性とおばあさんが鏡に向き合い、うっとりした表情を浮かべているという表紙が描か…
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歳とともに実感する物欲の減少。どうせ死ぬのだから身軽でいたい
私は家計簿はつけていないものの、1万円以上の大きな出費(医療費を除いて)があった場合は、だいたい日記に記すことにしている。 「これっていつ買ったんだっけ」ということが多いし、できれば正確に購入した時期を知っておきたいタイ…
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シュールなバッヂに気づいてくれた看護師さんに感謝。やはり自分は変わり者か
「このバッヂ、シュールですね」と血圧計を腕に巻こうとする看護師さんに話しかけられた。 「ああ、これ展覧会にあったガチャガチャです。500年前の画家のものなんです」と応じた。 話題に上がったバッヂは、オランダの画家、ブリュ…
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ごみに見捨てられた人生だから、ごみに執着を持っていく
タリーズでコーヒーをタンブラー買いをするようになって3カ月ほどになる。 サーモスのタンブラーは1700円したので、タンブラー値引きで元を取るためには60回近く通わなければならないが、週3回に加えて日赤医療センターでも使う…
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「バカ」になりきって歩いてみた新宿御苑。すべてに意味づけをするあり方を反省
ここのところ、だいぶ暑さも和らいできたので、透析前に新宿御苑を散歩してきた。 いつものように千駄ヶ谷門から入るも、人はほとんど見当たらず、閑散としている。 公園は閑散としているべしという信念の持ち主の私としては極めてうれ…
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孤独は毒にあらず、独自、独特の独。昔から独りぼっちが好きだった
人工透析の曜日パターンが火木土に変わってから、患者同士のコミュニケーションは一切なくなっている。 2か月を過ぎても、いまだに一言すら交わしたことはない。 これはどうやらこの曜日パターンの患者の特徴でもあるようで、会話をす…
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暑中見舞い書きで思う自分はつくづく芯のない人間なのだと
今年の正月は入院し、年賀のあいさつもできなかったので、賀状をいただいた方に暑中見舞いを出すことにした。 いただいたのは30数枚だが、普段、仕事で顔を合わせている人は除き、私の消息を知らないであろう人を中心に筆をとった。 …
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職場でも家庭でも身の丈にあった後輩キャラを最後まで貫こうと思う
職場の最寄り駅から歩いていると、私より2つ上の先輩がばったり会い、立ち話をすることになった。 先輩とは一度も同じ部署になったことはないものの、日ごろからとても気にかけてくれ、きょうもこれから透析に行くこと、昨年から今年の…
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命あっての物種という教訓を改めて思い知ることになった今回の大地震
大阪で起きた大地震は都市災害の弱点を改めて浮き彫りにした感があった。 実際、命を落とさずに済んだはずの貴い命が、都市災害の死角が原因で失われてしまった。 これから将来、味わうはずであったさまざまな喜びや悲しみすべてが一瞬…
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ブログをしばらく休止します
都合、3か月強の入院を経て、無事、きょう退院し自宅に帰ることができた。 何度も繰り返し書いてきたように、今回の入院は、死を覚悟してのものだっただけに、喜びもひとしおというところ。 この期間、二度帰宅ができているので、自宅…
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漱石の「こころ」は賞味期限切れどころか、永遠に読み継がれるべき作品(2)
心の闇を抱えて生き続けてきた「先生」は、近づく価値のない人間だと「私」を何度も何度も退ける。 しかし、「私」は退けられるほど、近づきたくなる。 これも不思議な心の働きであり、傾向性といえる。 こんなやりとりが何度となく繰…
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漱石の「こころ」は賞味期限切れどころか、永遠に読み継がれるべき作品(1)
この記事を書くべきかどうかはだいぶ迷った。 でもやはり書かずにはいられない。 ハフィントンポストに書評として、夏目漱石の「こころ」が取り上げられていたので、読んでみた。 「夏目漱石『こころ』の賞味期限は切れている。なぜな…
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新年らしく2018年の抱負を考えてみた
新年元旦は朝9時からの人工透析でスタートしました。 おかげさまで当ブログ(名称はだいぶ変わりましたが)も2004年の開始以来、15年目を迎えることができました。 今年から、気分を変えて、「ですます調に」にしてみようかと思…
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天邪鬼の私にピッタリなクリスマスイブの入院
日赤医療センターへの入院が決まった。 24日の午後。 きのう受診した医師は、私が12年前に臍帯血移植を受けた際の担当医師。 私の体のすべてを知り尽くした医師に身を委ねることができる安心感は比べようもなく大きい。 これを吉…
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死ぬまでは生きているのだからどうせなら楽しく生きたい
2か月もの間、風邪がなかなか治らなかったせいで、極度に体力の低下を感じる。 2階分の階段を上ろうものなら、息はゼーゼー、脚には乳酸菌、いや乳酸が溜まり、しんどくて仕方ない。 日に日に老化が進行していくのは生命の法則である…
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人間関係の距離感に思う逃げるという楽観主義的実践
人間は、人の間と書くのは言い得て妙で、人と人との距離感というものは、生きていく上で極めて重要な要素だろうと思う。 ただ、この距離感の感じ方は、千差万別で、誰一人として同じ感覚を持った人間もいないのも確かだと思う。 街中や…
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これまでの人生で、どれだけ自分を偽った愛想笑いを振りまいてきただろう
お金を下ろす機会が最近、とみに増えている。 とは言っても、金使いが荒くなったというわけでは決してない。 むしろ、この1年ほどは、ネットショッピングはほとんどと言っていいくらい利用していない。 激しくなくなるのは、現金のみ…
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遠方へ赴任していく後輩とのはなむけランチ
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■江戸前の味を覚えてもらいたくて 職場の後輩が転勤で遠方へ赴任するということで、はなむけのランチをともにしました。 青…
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中国人のお辞儀に見た、人にとって重要な感謝という思い
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■他人様には言われたくないが 新聞を見ていて、『「感謝」で思考は実現する』という書籍の広告が目に止まりました。 私は感…
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自分を取り巻くすべてを五感で感じ取りたいと思うようになった
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■トレードマークが息を潜め ここのところ、私のトレードマークとも言うべき、イヤホンで音楽を聴きながらという習慣が息を潜…
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自分は一瞬を大切に生きているかと考えさせられた一日
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■平凡だが妙に心に残るフレーズ きょう、電車の窓から、こんな標語が目に飛び込んできました。 「一瞬を大切に。◯◯区立◯…
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Uターンラッシュの映像を酒の肴にする、嗚呼楽しさよ
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■私の夏休みは分散型 お盆ですね。 夏真っ盛りというヤツですね。 私の夏休みは分散型と決めています。 子どもが成人して…
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ガトリンとボルト、両雄の健闘を心から讃えたい
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■世界中のほぼすべての期待を裏切る 世界陸上の男子100メートルはガトリン優勝、ボルト3位という、世界中のほぼすべての…
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20数年ぶりの温泉旅行を決意した同期ランチ会
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■1985年入社組6人がそろう 職場の同期のランチ会に参加してきました。 1985年(昭和60年)入社組の6人がそろい…
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祭の後の静けさに思う、引っ込む生き方のトラブル回避術
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 祭に腰が引けるたち きのうは職場的には大きなイベントがあったこともあり、きょうの朝の静けさは格別です。 私は子どものこ…
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すわという事態に気づき功を奏する「信頼貯蓄」という目に見えない存在
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 人間関係に不可欠な信頼 「信頼貯蓄」という考え方を最近、知りました。 がんと闘う患者さんが仕事を継続できるか否かの瀬戸…
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幸せの閾値について改めて思う。病後の現在が最も幸福度は高いかも
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 「しかない」か「もある」か 人それぞれの幸せの感じ方は千差万別であり、方向性こそ同様なものがあれ、一から十まで一致する…
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「四十にして惑う」10年間で積んだ経験に今思う人生とは何か
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 時間の進み方がゆっくりに 先日の朝、私より少し後に出勤してきた20代の若手の女性が、「もう6月なんですね、あっという間…
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文章ほど簡単なものはなく、同時に文章ほど難しいものはない
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 過去記事がふと目に止まり きょう、ブログのアクセスログをチェックしていてると、過去記事を丹念に読んでくれている方がいる…
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妻のためにカツラをかぶってもいいかなと思うこのごろ
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 産毛は産毛のまま 私の頭ははげています。 正確に言うと薄いです。 頭のてっぺんの辺りが特に薄く、ぽやぽや毛が申し訳程度…
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MV映りこみ3分45秒という風雪に耐えた保田圭という生き様
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 写真集が唯一人国内ロケ 私は保田圭が大好きです。 唐突になんだと思われるかもしれませんが、事実なので仕方ありません。 …
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90歳のKさんに勇気づけられ教えられたこと
いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 満面の笑みをたたえ 月一度の地域の寄り合いに参加しました。 私の隣に座られたのは今年で90歳になるおばあちゃん、Kさんです。 Kさんはいつも私に気がつかれると、…
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映像に活写された後輩諸氏の温かな人柄に感銘
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 はなむけのビデオ制作 昨年度末、転職で我が社を去るK君のはなむけにと、部署の後輩3人の有志が応援ビデオを制作しました。 先日のセレモニーの際に流されたのですが、…
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桜の季節に思う、私はやはり花見は嫌いだ
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 桜の季節ですね。 でも、私はお花見が正直、嫌いです。 桜自体は大好きで、いつまでも眺めていたいと思う方ですが、酒が入って、騒々しくなる、あの宴会が苦手なんですね…
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「何でこんな顔になっちゃったんだろう」と妻に言われて思うこと
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 鏡を見るたびに思うこと 「何でこんな顔になっちゃったんだろう」 先日、しげしげと見つめられながら、妻から言われた言葉でした。 私はとてつもない不愉快さを覚え、妻…
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やはりあいさつは人生における得であり、徳だと思う
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 クリニックのあいさつ事情 人工透析73回目。 先日はクリニックにも半年が経ってだいぶ慣れたということを書きました。 きょうはクリニックのあいさつ事情について。 …
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まだらで白髪の頭は闘病の証。そう、これでいいのだ
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 アナログ写真が大量に 引き出しの中を整理していると、昔撮ったアナログ時代の写真が大量に見つかったので、紙で残しておくのももったいないと、一気にスキャンしてみた。…
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長さんの私、短七の妻という組み合わせが腑に落ちた「見る落語」
アテブリの発想がユニーク 最近、はまって見ているテレビ番組がある。 NHKの「超入門!落語 THE MOVIE」がそれだ。 別名、「見る落語」とも言われ、文字通り、聞くより見るに主眼が置かれている。 具体的には番組を見て…
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タバコの向き合い方一つで人間性が透けてみえる
嗜好品だからこそ心が重要 けさ、Facebookを何げなく眺めていると、知人の投稿によるタバコの吸い殻の写真が目に止まった。 側溝にポイ捨てをしようとしたタバコが溝に入らず、自然消火していたというものだった。 知人いわく…