休薬期間3日目。 地獄のお尻の苦しみもやや和らぎ、きょうは人間らしい一日を送ることができそうだ。 ありがたい。 人間、現金なもので、痛み苦しみを感じて初めて、普通のありがたみをひしひしと感じることができる。 もっと普通の…
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「2001年宇宙の旅」という不可思議な映画を人生であと何回見ることになるだろう
入院31日目、休薬15日目。 がん細胞との攻防は一進一退だが、待望の好中球(免疫を司る白血球)がここに来て、わずかながらも増えつつある。 ありがたい傾向だ。 入院期間もいよいよ2か月目に突入する。 1か月を過ぎると、さす…
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年末の極めて静かな院内で見る映画「ファニーとアレクサンデル」
入院7日目。 年末とあって、院内は極めて静か。 4人部屋の病室も二人が退院していかれたので、静か。 生来、静かな環境が大好きな人間なので、この状態はとても好ましい。 一年中が年末年始であってほしいと思うくらいだ。 * さ…
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自然への崇高なる畏敬の念を肌身で感じた安藤忠雄展(国立新美術館)
国立新美術館で開催中の「安藤忠雄展」へ行ってきた。 名にし負う建築の大家であるだけに、混んでいるだろうなぁと思って会場に入ってみると、想像以上の混雑ぶり、盛況ぶりだった。 作品の模型が置かれたスペースには人が鈴なりで、容…
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収蔵者、寄贈者への感謝の念が湧いたボストン美術館の至宝展
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■強烈な日射に背中を押されて ボストン美術館の至宝展を見に東京都美術館に行ってきました。 ボストンといえば、私が一度は…
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人間はすべてに負って生きていると思わされたアルチンボルド展@国立西洋美術館
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■頭がクラクラする感覚 国立西洋美術館で開催中の「アルチンボルド展」に行ってきました。 アルチンボルドで多くの人が思い…
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黒澤映画「羅生門」に見る人間描写の凄さとこまやかさ
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■芥川龍之介「藪の中」が原作 黒澤明監督作品「羅生門」をアマゾンプライムで見ました。 初めてです。 先入観では、芥川龍…
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カレーメシCMシリーズにGOサインを出した日清のお偉方に感服
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ■時代に逆行した超レトロ調 時折、ハマルCMというものが出てきます。 私がハマル基準は、ネットで公式サイトに出かけて繰…
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若手芸術家たちの頑張りと苦境を目の当たりにしたリニューアルなった東京芸術劇場
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 巨大エスカレーターが2分割 先日、リニューアルなった池袋・東京芸術劇場へ足を運んで、若手芸術家による作品展にお邪魔して…
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常に死という存在を意識させてくれる二人の芸術家、モーツァルトとクレー
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 ドイツ語で死を意味する「Tod」 娘とスマホでアイドルの動画を見ていた時、ふと聞かれたことがあります。 「この待ち受け…
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ボス、ブリューゲルの特異な画風にしびれたバベルの塔展@東京都美術館
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 バタバタ気味の鑑賞 日曜日に妻とともに上野・東京都美術館で開催中のブリューゲル「バベルの塔」展に行ってきました。 上野…
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今に影響を与え続ける「伝染るんです」は私の究極の人間探求の書
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 思わず二度見をする事態 電車に乗り込もうとする時、窓の外から、スマホを見入っている人の画面を視界に入ってしまうというこ…
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大道芸人・ギリヤーク尼ヶ崎という壮絶な覚悟と生き様に感銘
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 やせさらばえた老人が 先日の夜、翌日が休みということもあり、遅くまでテレビをつけていると、衝撃的な映像が目に飛び込んで…
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人物画に見る感受性に感銘を受けたシャセリオー展@国立西洋美術館
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 知らなかった画家の名前 先日、妻とともに国立西洋美術館で開催中のシャセリオー展へ行ってきました。 「19世紀フランス・…
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自身の気づきと、違和感醸し出す作家との出合いに導いてくれたMさんに感謝
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 まず青山のお鮨屋さんへ 先日、長年の友人Mさんと再会しランチとともに、懇談する機会を持つことができました。 いい天気だ…
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映画「アバウト・シュミット」に見る定年後の悲哀と孤独、そして愛情
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 一人留守番の映画鑑賞 土曜日はやはり妻娘ともに外出していたので、一人留守番でした。 最近はこのパターンが多くなっていま…
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私の棺おけリスト一番目は妻との金沢、和倉温泉再訪
日本ブログ村のランキングに参加しています。いつもバナークリックの応援をいただきありがとうございます。 振り替え休日をまったりと きょうは振り替え休日で一日ゆっくりまったりと家でくつろぎました。 それでも、食器洗いと洗濯物…
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死ぬまでに一度見ておきたい絵画がある。定年後の最大の目標
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 社歴33年目で知る勤務規定 先日、社内のネットワーク掲示板に、「勤務規定を公表しました」の知らせがありました。 私は社歴33年になり、定年まで残すところあとわず…
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圧倒的存在感を今に遺す松田優作という俳優
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 人並み外れた天才 松田優作という俳優がいました。 惜しまれつつ、40歳の若さで亡くなっただれもが知る偉大な俳優です。 おそらく、若い世代でもそういう俳優がいたと…
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「マティスとルオー展」で思う鑑賞における暗黙のルール
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 汐留地区の激変に驚き 「マティスとルオー展」(パナソニック汐留ミュージアム)を見てきました。 まず、展覧会自体の感想の前に、何十年ぶりかで訪れた汐留地区の印象か…
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媒体は変わってもそこに乗る作品の価値は永遠に不滅
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 80年代の2作品を再入手 きのうは80年代に私がはまった二つの作品を久しぶりに再入手できた一日だった。 その一つはコミックで、吉田戦車氏「伝染るんです。」Kin…
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ツィゴイネルワイゼン、陽炎座を遺して逝った鈴木清順監督
いつもバナークリックの協力をいただきありがとうございます。 とんでもなく恐ろしい作品 映画監督の鈴木清順さんが亡くなった。 93歳を思えば大往生だが、その功績を思うにつけ、やはりその異様ともいうべき才能が失われた悲しみは…
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古典を味わう者の特典を享受する通勤2時間
夏目漱石全作品の通読に挑戦を開始して、約半年になる。 「吾輩は猫である」からスタートして、「倫敦塔」「坊っちゃん」「草枕」「虞美人草」「それから」「満韓ところどころ」などを読み終わったところで、全体のちょうど折り返しまで…
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最近見た映画3作品について
最近見た映画の感想を語ってみる。 ラインナップは以下の通り。 1.『エスター』(米:2009年) 2.『ショーシャンクの空に』(米:1994年) 3.『2001年宇宙の旅』(米:1968年) * 1.『エスター』(米:2…
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死ぬまで芸術を味わうことができるという幸福
きょうの朝は久しぶりに超ラッシュにもまれての通勤となり、週明けにもかかわらず、既にぐったりの状態。 西武線の車両故障によるものだった。 いつもはこれを避けたいがために、ピンポイントの空いている電車を選んで乗っているのに、…
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自分がつくづく凡庸な人間だということを教えてくれた映画「アマデウス」
イギリスの劇作家、ピーター・シェーファーが90歳で亡くなった。 ピーター・シェーファーの作品で、私が唯一知るのは、映画「アマデウス」(1984年)だが、30年以上も前の公開であるにもかかわらず、今見ても色あせない傑作だと…
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若い私の喉元に生きる意味を突き付けたエゴン・シーレという夭逝の画家
娘が伊藤若冲の展覧会に、大学時代の友人と行ってくるらしい。 アイドルオタクの娘が芸術に興味を持つのは、珍しいことだけれど、それもそのはずで、若冲が描いたゾウの絵にビビッときたのだそうだ。 娘はアイドルに並んで、大のゾウ好…
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スタジオジブリの最高傑作は…
スタジオジブリの高畑勲監督の露出が激しい。 きのうはNHKで「ニュースウォッチ9」、「探検爆問」と、立て続けに登場していた。 無理からぬこと、とは思う。 というのは、ジブリの巨大な広告塔だった宮崎駿監督が引退表明をしてし…
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映画「ハンナ・アーレント」を妻と見に行こう
あす10月26日、映画「ハンナ・アーレント」が岩波ホールで公開される。 楽しみにしてきた映画だ。 先のブログに書いたようにハンナ・アーレントの著作である「全体主義の起原」を読み始めたばかりだが、その言葉の力にはぐいぐいと…
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7年間も変わらず同じ製品を作り続けるONKYOの姿勢に好感
きょうは娘がバイト、妻はアイススケートのショー観覧ということで、一人家にいたので、久々に大音量で音楽を聴くことができた。 ふだん、イヤホンでの大音量は時折できたとしても、スピーカーの大音量を鳴らせることは、千載一遇のチャ…
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ヲタク文化が世界に与える影響について考えされられた「SHERLOCK(シャーロック)」
BBCのテレビドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」を見ました。 NHKのBSプレミアムで6月ごろに放映されたものをビデオにとっておいたのですが、なかなかまとめて見る機会がなかったので、風邪のため自転車に乗ることもま…
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佐々木昭一郎作「四季〜ユートピアノ」32年ぶりに鑑賞
入院14日目。 残すイベントはあすの大腸内視鏡検査を残すのみとなった。 何事もなく終わってほしいものだ。 NHKオンデマンドで佐々木昭一郎作「四季〜ユートピアノ」を約30年ぶりに見る。 1980年の作品なので32年か。 …
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マネキン人形に永遠の命を吹き込んだベルナール・フォコン
娘がビデオに録っていた「オーマイキー」を見ていて、だいぶ昔に日本橋で開催されていたベルナール・フォコンの写真展のことを思い出した。 フォコンの写真はマネキン人形を日常の空間に配して撮影されたものなのだが、 作品に戦慄に似…
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14歳の小さな踊り子
きのうテレビで見た日曜美術館。 テーマはドガだった。 ドガのことはあまりよく知らなかった。 なぜ、ドガは踊り子を描く(かざるをえなく)ようになったのか、バレエという華やかな世界の裏にひそむ暗闇の部分など、興味深く紹介して…
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<映画>「ダークナイト」
fugue (2008年8月20日 17:43) | 個別ページ 臍帯血移植1000日目。 映画「ダークナイト」鑑賞。 映画館に着くと子どもがたくさんいる。 ん? そんなにこの映画、子どもたちに受けているのだろうかと思い…
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<映画>「クライマーズハイ」
fugue (2008年7月16日 16:44) | 個別ページ 臍帯血移植965日目。 映画「クライマーズハイ」を鑑賞。 すばらしかった。 ドラマもよかったが、それ以上だったように思う。 ドラマがいつだったのか、調べる…
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<映画、音楽>モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」、ベルイマン「魔笛」「サラバンド」DVD購入
fugue (2008年3月12日 23:59) | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0) LDでの視聴が不可能とわかり、悲しい思いをしたモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」、改めて検索してみると、なん…
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<映画>佐々木昭一郎「四季・ユートピアノ」
fugue (2008年3月 7日 19:55) | 個別ページ TSUTAYAのレンタル予約状況を調べたところから始まり、映画に関して、いろいろ広がっていった。 ベルイマン、キューブリック、そして佐々木昭一郎。 佐々木…
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<映画>「シンプル・プラン」
fugue (2008年2月 7日 14:55) | 個別ページ たぶんこのころだと思うんだが、ツタヤの通信レンタルで借りたDVD「三丁目の夕日」と「シンプルプラン」を見た。 「夕日」は、う~ん、こんなもんだろうな、とい…
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娘と過ごした一日
fugue (2007年8月30日 11:55) | 個別ページ 夏休みも大詰め。 娘が宿題の絵の作業。アドバイスをして、ネット選挙をテーマに描いた。娘のアイデアも交え、いい作品になったと思う。 寝る前に、娘にちょっと愚…
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<映画>今、見たい映画
fugue (2007年8月15日 21:54) | 個別ページ ■ダンサー・イン・ザ・ダーク SPECIAL EDITION <dts版> (2000年 / デンマーク ) ■激突!スペシャル・エディション (1971…
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「24時間4万回の奇跡 」
fugue (2007年8月 8日 12:21) | 個別ページ 「24時間4万回の奇跡」(1999年 ベルギー) ベルギーの工場地帯に住む家族が24時間でドアの開閉4万回の世界記録に挑戦する――という主題にまずひきつけ…
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<映画>「かもめ食堂」「明日の記憶」「夢二」「家族ゲーム」
fugue (2007年7月17日 12:25) | 個別ページ 先週、TSUTAYAがレンタル半額だったので、妻とともに4本借りた。 私は鈴木清順監督の「夢二」と森田芳光監督の「家族ゲーム」を。妻は小林聡美主演の「かも…
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ジブリ最高傑作「おもひでぽろぽろ」について
「おもひでぽろぽろ」DVDをアマゾンで注文、購入した。 「おもひでぽろぽろ」は6、7年ほど前、VHSビデオで購入し、時折鑑賞してきたが、どうしてもDVDでもほしくなり、買ってしまった。 私の場合、繰り返しの鑑賞に耐え得る…
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<映画>“リアルシュール”の傑作――『ツィゴイネルワイゼン』
サークルの後輩に勧めておいた映画を見て感想をメールで送ってくれたので、御礼というわけでもないが、私の感想をブログにてアップさせていただこうと思う。 ★ 『ツィゴイネルワイゼン』(1980年) 鈴木清順監督による大正浪漫三…
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Aさんから『蘇生』をいただく
fugue (2005年9月17日 12:09) | 個別ページ 妻が朝から東京に用事で出かけ、15:30からは私の友人でアーチストとして活躍するAさんと会ってくる。どのような話になるのだろうか。楽しみだ。妻には自分の代…
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俳優、中村伸郎について
先日、職場の同期から、小津安二郎に関する新書をぽっと渡され、何気なく、開いていたページを眺めてみた。 「な、似てるだろう?」 一瞬、何のことかわからなかった。、しかし開かれたページの写真を見て、その意味するところを理解し…
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映画好きへの100の質問
<映画好きへの100の質問> 1 生まれて初めて観た映画はなんですか? 『ゴジラ対モスラ』 かなり感動したのを覚えている。5歳くらいだったか? 2 映画歴は何年? 歴といえるものではないですね。 3 購読している映画雑誌…
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TB:「室礼(しつらい)」を知ってますか?
のえるさんのエントリー[「室礼(しつらい)」を知ってますか?]へのトラックバックです。 「室礼(しつらい)」については、3年ほど前、千駄ヶ谷の能楽堂に能を観に行った時に、舞台の一角に山本さんの「室礼」がしつらわれていたこ…
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好きな映画ランキングから「アメリカの影」
トラックバックしたエントリーは以前、自分の映画ランキングを洋画、邦画にわけて示したものだ。 その中で、きょうは第10位から取り上げてみたい。 ⑩アメリカの影 1960/米 監督:ジョン・カサヴェテス CinemaScap…